全館空調とその仕組みとは?

家づくり2022.08.22

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新築を考えていて全館空調を検討されている方。

「ハウスメーカーの展示場でも聞くし、地元の完成見学会でもちょくちょく聞くし、
快適だとは思うけど どうなのだろうか?」

こういった疑問にお答えます。

この記事は「これから注文住宅で全館空調を採用して新築を建てたいけど、
要点つかんでどうやって判断すれば良いのか分からないよ」
という方に向けて書いています。

この記事は読むことで「全館空調の特徴や計画する上での考え方、自分たちに合うor合わない?」
までイメージできるようになるでしょう。

全館空調とは・その特徴

全館空調とは家中の空気を一年中快適温度に保ち、
家中の空気を一括で調整・管理できる空調システムのことをいいます。

ここでは、全館空調の特徴を見ていきましょう。

1台で空気清浄と冷暖房を担う

全館空調は、1台で「空気清浄・冷暖房」(種類によっては換気)
といった役割を担うことが可能です。

また、リビングやダイニングだけでなく洗面所やトイレなど
家全体を均一な温度に保てる点もポイント。

さらに、基本的には24時間つけっぱなしで、
家全体を快適な室温・湿度に調整します。

従来の日本の冷暖房の特徴

日本の気候は夏暑く、冬は寒いという特徴があります。

日本の冷暖房は、「人のいる部屋をいる時だけ」使う部分間欠空調(人がいる部屋のみ空調)
「局所冷暖房」が一般的な考え方です。

必然的に家の中に温度差ができ、例えば寒い廊下や脱衣室等、
それが健康リスクや不快さに繋がっています。

それを解決するために「全館空調」は、
とても良いシステムと言えるでしょう。

全館空調により健康リスクの軽減にもつながる

全館空調は従来の日本の冷暖房の仕組みで起きやすかったヒートショック対策ができ、
健康面でのリスクも軽減します。

※ヒートショックとは、寒い脱衣所で着替えをし、
熱いお湯に浸かった時に急激な温度差により血圧が大きく変動することです。

失神や心筋梗塞などを引き起こし最悪の場合は死亡することも。

全国の交通死亡事故の5倍は家の中でのヒートショックの事故で亡くなられており、
その殆どが浴室で起きています。

全館空調を運転する時期と季節

全館空調は主に、夏と冬のみ運転します。
機種によりますが、春と秋は運転を停止させることも。

これにより、電気代の節約につなげることが可能です。

全館空調の電気代は平均で毎月4,000〜15,000円程度
ただし、木造か鉄骨造か、また建物の大きさによって変わってきます。

従来の局所冷暖房だと、
冬場に室内のエアコンや冷暖房器具で暖めたリビング20℃になりますが、
その他の部屋15℃以下に、玄関10℃まで低下します。

一方、全館空調を搭載した家は、
ほとんど部屋が20℃で、玄関のみ18℃くらいになります。

家中の温度を一定にすることによって室内を移動するストレスがなくなり、
家で活動的になります。

全館空調とエアコンとの違い

ここでは、全館空調と、
従来の局所冷暖房で用いられているエアコンとの違いについて見ていきましょう。

全館空調の特徴

まず、全館空調の特徴は以下のようなことが挙げられます。

・家全体でまたは1階、2階の階層ごとに運転が可能

・瞬間的にその場の温度を変えられない急速に快適にできない。

・暖房、冷房、除湿など基本的な機能しかついていない。

・最新のエアコンのようにお掃除機能やプラズマクラスター機能等はない。

・あくまで家全体の温度をコントロールする仕組み。

エアコンの特徴

次に、局所冷暖房で用いられるエアコンの特徴は以下の通りです。

・各部屋にリモコンで急激に冷やしたり、暖めたりできる

・最新のエアコンはお掃除機能等がついている。

・フィルターや室外機が一台ずつについている。

全館空調のメリット・デメリット

ここでは、全館空調のメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

メリット

・家中どこに行っても快適で温度差がない。洗面所・お風呂も温度差が少ない。

・床下も暖かいので上下温度差が少ない。

・風が来ない全館空調はじんわりと空気が対流・循環するので
 エアコン特有の風が直接当たる感覚がない。

・運転の機械音が静か。

・部屋干しができる、梅雨時期もジメジメせず、
 サラッと過ごせる、快眠もサポート。

・真夏でも玄関を開けた瞬間から快適でLDKも同じく快適。

・ホールとの温度差を抑え、移動によるストレスを抑制。

・朝方の冷え込みも軽減し、朝起きた瞬間に布団から出られる快適性がある。

・室外機の設置を1台で賄える。

・各部屋に壁付けエアコンを設置するよりも台数が圧倒的に減り、
 家の外観がスッキリとする。

・「一般の家」の冬場は床暖房や石油ファンヒーター・ストーブも
 必要なので光熱費が割高になる。

・全館空調なら追加の暖房不要でよりお得になる。

デメリット

・快適すぎてエアコンに戻れない。

・立ち上がりの運転する際に非常に多くの電気代がかかる。

・すぐに冷やしたり、暖かくしたりできない。

・オール電化住宅の場合、日中の電気代が高いため電気代も高額になる。

・故障した際に全館空調を取り換えるという選択ができない。

・全館空調を搭載した家の場合は、修理をし続けることになる。

・機械室のいる全館空調の場合は、
 夜中に機械室の近くで寝る場合は音が聞こえる。
 機械室を寝室の近くにしない設計が必要。

・初期費用が高く全館空調は高額になる。
 100〜250万円程度の初期費用がかかる。
 35年の住宅ローンで毎月4,000〜7,000円負担が増える。

・人によっては加湿器必須。

・全館空調の機種によっては電気代が冬場はかなり高くなる。

・狭小地の3階建てた場合は、
 全館空調の設備が場所を取り、間取りに影響することがある。

全館空調を検討する際に確認しておくべきこと

ここでは、全館空調を検討する際に確認しておくべきことについて解説します。

メンテナンス面

まず、全館空調には空気清浄機能 外気取入側フィルター 
室内側の排気フィルターがついており、
全館空調のメンテナンスとお掃除はエアコンと同様にフィルター掃除が必要になります。

フィルターは定期的に掃除機やブラシ等でほこりを取る必要があり、
掃除機を使用したり汚れが目立っていれば洗ったり干す必要はあります。

床のガラリ等がある場合は、当然ホコリがたまりますので、
定期的にアミを外し中のゴミを取り出しキレイにする必要があります。

室内リモコンに掃除のタイミングをお知らせする機能があり、
家全体の快適空間をコントロールするものなので
1ヶ月~6ヶ月等まめな掃除が必要になります。

全館空調本体の保証期間は2年〜10年であり、
ほとんどのハウスメーカーが10年保証です。

保証期間

全館空調には保証期間があるのが一般的です。

初期保証は短いですが、
オプション料金を支払えば保証期間を延長できるハウスメーカーもあるので、
最長保証を選択しておくのがいいかと思います。

搭載する場合は必ず保証期間を確認しましょう。

また、トラブルを回避するため全館空調が壊れたときに備えましょう。
全館空調はほとんどのハウスメーカーのものが春と秋は運転しません。
つまり、故障していても気がつき難いのです。

夏と冬の運転している時に故障に気づくことがありますので、
こたつ、ストーブ、ヒーターや扇風機などの備えはできれば必要です。

なお、故障してから修理が完了するまでの期間は2週間程度かかります。

加湿器を用意しよう

全館空調を導入するのであれば、大型の加湿器は必須だといえます。

各部屋の設置する普通のエアコンとは違って、家全体に空気が行き渡ります
湿度計を家の中に置き、良質な湿度をコントロールするようにしましょう。

快適に過ごせる適正湿度は40%~60%です。

この湿度を保てるように調整しておくと、より快適に過ごすことが出来ます。

全館空調を選ぶなら押さえておきたい機能

まずは省エネ面について。
電気代のあまりかからない全館空調を選択すると
アパートの電気代とあまり変わらなくなります

また、設置場所についても確認しておきましょう。
全館空調の場合小屋裏に設置か、
機械室を新たに設けて設置することになります。
小屋裏に全館空調設備をつける場合は、ハシゴがつくようになります。

その他、除湿機能についても要チェックです。
全館空調の機種は色々とありますので除湿機能が付いてものを選択しましょう。
梅雨時期や夏のジメジメした時期には
特に除湿機能が付いているとより涼しく感じる事ができ、カビ対策にも効果的です。

タイマー設定についても覚えておくと便利です。

タイマー設定で空調をあまり必要としない時間帯の温度設定暖房なら低め
冷房なら高めキープ運転のタイマー設定が可能
キープ設定に切り替える時刻をあらかじめタイマー設定をしておけば
自動的にキープ運転となり省エネ効果が期待できます。

全館空調をオススメしたい人・オススメしない人

全館空調は便利な設備ですが、全ての人にオススメできるというわけではありません。

ここでは、全館空調をオススメしたい人、オススメしない人について、それぞれ解説します。

オススメしたい人

・冬の朝の着替えが寒くて嫌になる。

・エアコンの風が嫌い

・吹き抜けやリビング階段で2階と空間が繋がる間取りの予定の方。

・冷え性で寒い日は貧血気味の方。

・ご高齢の方や乳児がいるご家庭。

・お風呂に入る時や着替える時に寒い。

・全館空調システムに憧れがある。

・外に洗濯物を干したくない。

・花粉症の症状を軽減したい。 

・朝起きるのがツライ

・お肌を気にする方や、エアコンの空気が直接肌に当たるのは気になるという方

オススメしない人

・住宅資金に余裕がなく毎月の返済がギリギリの方

・毎月の電気代が気になってしまう。

・不在時の全館空調の運転がもったいないと思う方。

・15年後に来るかもしれない修理代が用意できない方。

全館空調に必要な断熱性能

全館空調を採用するなら、断熱性能もしっかりしていないといけません。

出来れば建物は標準でC値1.0(建物の隙間面積の数値)
下回るような住宅性能にしましょう(省エネ住宅の新基準「ZEH」以上の断熱性能)。

全館空調を搭載する家は、断熱性能は高い水準でないと電気代がかかってしまいます

従来の基準より高い省エネ性を持つ住まいに太陽光発電を設置し
『創エネ』を組み合わせることで、エネルギー収支ゼロの住まいを実現できるのです。

まとめ

全館空調について、さまざまな側面からお伝えしました。

住宅の断熱性能は上がっていますが、
エアコンだけでは冷暖房をつけた部屋しか室温をコントロールできません。
全館空調を導入すれば、
エアコンを入れた部屋以外に行っても不快な思いをせずに済みます。

初期費用も電気代もかかりますが、全館空調に勝る快適設備はありません。

一度快適さを経験するとあまりの全館空調の快適さに
各部屋を空調するエアコンのみには戻れなくなります。
全館空調の暖気が床付近から吹き出すタイプの空調システムは、
寒い冬でも足元はいつもぽかぽかで過ごせます。

もし全館空調を体験したことがない方は、
一度全館空調が取り付けしてあるモデルハウスや完成見学会に参加してみましょう。
【快適性を求めるために】全館空調分の金額が用意できるかどうかが
採用を判断するポイントになります。

快適な生活をするために全館空調は必要な出費かもしれませんね。

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