間取りを決めるには「毎日の暮らし」を意識しよう!
家づくり2021.12.21
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間取りを自由に決められることは、注文住宅の大きな魅力の1つでしょう。
しかし、さまざまな要素を考慮して間取りを考えなければ、住宅が完成して実際に住み始めてからいろいろな面で不満を感じることになりかねません。
そこで、ここでは間取りを考える際に押さえておきたい重要なポイントや失敗を防ぐために知っておくべきことを紹介します。
間取りを考える際に重要なポイント!
注文住宅の間取りにおける失敗例の代表例としては、以下のようなパターンが挙げられます。
- 家事動線の悪さ
- 水回りの位置が不適切
- 収納スペースやコンセントの不足
- 風通しの悪さ
それぞれ見ていきましょう。
家事動線の悪さ
家事動線の悪さとは、たとえば浴室・脱衣場と洗濯機を設置するスペース、そして洗濯物を干すためのスペースがそれぞれ離れているといったケースです。
この例では、洗濯かごを離れた位置にある洗濯機まで運び、
洗濯が終われば、また離れた物干しスペースまで移動する必要があります。
動きに多くの無駄が出てしまい、効率的に家事をこなせません。
水回りの位置が不適切
洗面所や浴室、トイレなどの水回りも、間取りは慎重に決定する必要があります。
たとえば、ダイニングのすぐそばにトイレを配置してしまうと、食事中に排泄や流す水の音が聞こえてしまうことになりかねません。
収納スペースやコンセントの不足
収納スペースやコンセントの数が足りず不便というのも、よく見られる失敗例です。
たとえば、なるべく部屋を広くたくさん確保しようとして収納スペースを減らしてしまい、
片付ける場所がなくリビングに物があふれてしまうケースはよく見られます。
なお、収納スペースは一か所に集中させるものと、各部屋に適切に分散させるタイプがあるので自分がどちらに向いているのかよく確認するとよいでしょう。
また、実際に住んでみたらコンセントの数が足りないこともよくあります。
これは、生活家電のほか、据え置き型のゲーム機やインターネット関連の機器など、多くの物でコンセントが必要だからです。
掃除機用にも必要な場所に確保する必要があるでしょう。
コンセントは、数が足りているだけでなく使いやすい位置にあることも重要です。
家電や機器をどこに設置するかをよく考えてコンセントを設ける必要があります。
風通しが悪い
風通しが良くなるよう考えることも必要です。
風通しが悪い家は、湿気を逃しにくくカビが生える恐れがあります。
重要なポイント①風通し・日当たり
間取りを考えるときに外せない重要なポイントとして、風通しや日当たりの良い配置にすることが挙げられます。
それはどうしてか、風通しや日当たりの良い家にするためにはどうすれば良いかについて見ていきましょう。
風通しや日当たりを良くする必要がある理由とは
風通しが悪い家は湿気を逃せず、じめじめしがちです。
一番の問題は家に湿気が溜まるとカビが生えやすくなることで、ぜんそく・アレルギーなど住人の体調不良やいやなニオイなどを招く恐れがあります。
その他、湿気により柱など建物の構造部分が劣化しやすくなるといった恐れも。
また、日当たりの悪い家は薄暗く、午前中でも明かりが必要になるでしょう。
さらに、日当たりの良い家に比べて冬場は室内が冷えやすく光熱費もかかりがちです。
家族が集まって長い時間を過ごすリビングは、特に日当たりが良くなるように考えると良いでしょう。
風通しを良くするためには
風通しを良くするためには、窓の配置を考慮する必要があります。
対面になる窓を設置することが理想ですが、構造上無理なことも多いでしょう。
その場合は、対面となる位置に換気扇を設置するのも1つの方法です。
また、1つの部屋に対面ではなくても2つ以上の窓を設置すると、ドアを閉めていても風の流れが生まれて風通しが良くなります。
日当たりを良くするためには
日当たりを良くするためには、南側に開口部を設けたり小窓を多めにとったりする工夫が必要です。
間取りとは直接関係ありませんが、庭やベランダは明るいのに室内に日光が入ってこないケースでは白砂や玉砂利を敷くと光を反射して部屋が明るくなることがあります。
部屋の壁を白くするのも良いでしょう。
風通し・日当たりの良い間取りを考える際に注意したいポイント
風通しや日当たりを良くしようとやみくもに窓を多くしてはいけません。
防犯性が下がるうえ、部屋に面した通りを通る人の視線が気になってしまうからです。
窓は外部からの人の視線が気にならない高い位置に設置するなど十分注意しましょう。
また、窓が多すぎると家具を置く位置が不足してしまいます。
家具をどのように設置するかも考え、窓の位置や数を決めることが大切です。
重要なポイント②水回りや生活動線
家事を効率的に行うためには、浴室やキッチン、洗面所などの水回りや洗濯機の設置場所、干すスペースなどを無駄な動線が生まれないように配置することが必要です。
家事動線を考える
料理や洗濯などの家事は日々行うもののため、動線を考えることが非常に重要です。
先にも述べましたが、浴室・脱衣所と洗濯機の設置スペース、干す場所はなるべく近い方が動線の無駄が少なく、スムーズに家事をこなせます。
キッチンとパントリーも近くに設置したほうが料理がはかどるでしょう。
生活動線も重要
部屋の配置が良くないと生活動線が複雑になり、不満を感じやすくなります。
たとえば、家族がくつろぐリビングからほかの部屋やキッチン、トイレが遠くにあると過ごしにくく、快適とはいえません。
家の中心にリビングを設置してどの部屋ともスムーズな動線でつながるようにすれば快適性が向上します。
重要なポイント③階段・玄関
玄関や階段をどこにどのように配置するかは、間取りを考えるうえで非常に重要です。
玄関の位置を決める際のポイント
家の間取りを考えるとき、玄関をどの位置に置くかは大変重要なポイントです。
玄関の位置が悪ければ、1階に必要な部屋がうまく配置できない、道路や駐車スペースから入りづらいなどの問題が起こるおそれがあります。
道路からの動線はどうか、日当たりや風通しは良いかなどをよく考慮して、玄関の位置を決定しましょう。
また、実際に住んでみると、玄関には意外にいろいろなものを置く傾向があります。
たとえば、小さなお子さんがいる家庭ならベビーカーを置く場所が必要ですし、アウトドアスポーツを楽しむ家族がいるなら趣味の道具を玄関に置けると便利です。
そこで、玄関をどのくらいの広さにするかも十分に考慮する必要があるでしょう。
階段の位置を決める際のポイント
2階建てや3階建てにする場合、階段の位置も重要なポイントです。
階段をどこに配置するかで、ほかの部屋のおよその配置も決まってきます。
各部屋への行き来のしやすさを考慮して、位置を決定しましょう。
階段下はスペースがあるため、収納にしたりトイレにしたりすることも多いです。
重要なポイント④家具・家電の配置
部屋の配置だけでなく、それぞれの部屋のどこにどのような家具・家電を設置するかも考える必要があります。
これは、どこにどの程度の大きさの家電や家具を配置するかで、適切な部屋の広さやドア、窓の位置などが変わってくるからです。
たとえば、開放的な大きな窓を設置したら、高さのある家具を置く場所がなくなってしまったというのはよくある失敗です。
この家具をここに置くと決めておけば、その場所には窓を設置しない設計ができます。
そこで、図面に設置する予定の家具や家電を書きこんで、生活しているところをイメージしてみると良いでしょう。
家電の配置を明確にしておくと、必要なコンセントの数や適切な位置も把握できます。
重要なポイント⑤ 収納・照明の位置
所有する物の量に対して収納スペースが不足していると、片付ける場所がなく各部屋に物があふれてしまうことになりかねません。
また、どこに収納スペースを設置するかも重要です。
玄関横に広々としたウォークインクローゼットを設ければ、靴だけでなくコートや帽子などもきれいに収納できて便利です。
パントリーはキッチンのすぐそばに配置することが望ましいでしょう。
どこに、何をどれだけ収納するスペースがあると便利かを考えて、間取りを決定することが大切です。
なお、階段下を収納スペースとして使う場合、暗くて奥が見えづらいことがよくあります。
照明の設置が必要になるケースもあるため、注意しましょう。
間取りを決める際の注意点や失敗例
よく考えて間取りを決めたつもりでも、実際に住み始めてから失敗に気がつくことは珍しくありません。
ここでは、同じ轍を踏まないようにするため、実際にあった失敗例や注意点を紹介します。
失敗例
間取りの失敗でよくあるのが、おしゃれな家を意識しすぎて失敗するケースです。
たとえば、吹き抜けリビングは部屋が明るくなりおしゃれなイメージがありますが、
冬場などは暖かい空気がすべて上に逃げてしまうために暖房効率が悪く、リビングの室温が上がりません。
また、1階の声が2階に響きやすい点も注意が必要です。
夜遅くまでリビングで過ごす人の生活音が2階の寝室まで聞こえてうるさく、安眠できないなどの問題につながることがあります。
開放的でおしゃれだと人気のあるリビング階段も、家族間のコミュニケーションが増えるなどのメリットがある一方でデメリットもあり、注意が必要です。
たとえば、子どもが友人を招いた際にリビングを通って2階の自室に上がっていくため、生活感のある様子が丸見えで気になるといった問題が起こることがあります。
オープンキッチンも、広いスペースをとることや、調理中のニオイがリビングに広がること、リビングに来客を通したときキッチンの様子が丸見えになって気になるなどのトラブルが起こりやすいです。
収納スペースの広さや場所も十分に考える必要があります。
収納場所がなくて趣味の道具を片付けられず出しっぱなしになっているとか、
大型の収納スペースが屋根裏やロフトにしかなく大きな荷物を出し入れするのが怖く面倒といった失敗が起こりやすいです。
注意点
間取りを決めるときは、実際に家族それぞれが生活するところをイメージすることが大切です。
生活動線はスムーズか、来客時にプライバシーが確保できるかどうか、日当たりはどうか、収納は足りているかなど十分に検討しましょう。
まず間取りを考える際は条件を整理しよう!
これまでに述べてきた重要ポイントでの失敗を防ぐためには、家族の生活スタイルや動線を十分に考えて間取りを決めることが不可欠です。
適切な間取りや部屋の数、広さは、家族構成やそれぞれの普段の過ごし方によって異なります。
まずは家族の日ごろの生活スタイルや要望を元に、「子供部屋は2階に2部屋」「狭くていいので書斎が欲しい」など条件を書きだしてみましょう。
次に、家族でよく話し合いながら条件に優先順位をつけていきます。
これは、すべての条件をパーフェクトに満たす間取りを作るのは難しいためです。
条件が整理できたら、住宅メーカーなどのプロに相談すると良いでしょう。
間取りのポイントを押さえた家づくりを
失敗のない家づくりをするためには、家族構成やそれぞれの生活スタイルに合った間取りの条件を決めることが大切です。
とはいえ、あれもこれもとすべてを実現することはできません。
予算も考えながら、希望条件の優先順位を明確にしていきましょう。
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