地震に強い家づくりには、耐震等級1〜3のどれが必要?

家づくり2021.10.21

地震に強い家づくりには、耐震等級1〜3のどれが必要?

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世界の中でも、日本は特に地震の多い国

今後も、100年に一度と言われるような大地震の発生が予測されています。
これから家づくりをするなら、住宅への地震対策は欠かせません。

過去に何度も地震による被害を被ってきたため、建築物に対する日本の地震対策はとても発達しています。

建築基準法でも地震対策を行うことが定められているので、新築なら何もせずとも、ある程度地震に強い家づくりができます。

ただ、地震対策にはレベルがあります。
どこまでの地震に耐えられるように建てるかは施主であるあなた次第。

ぜひ、地震に強い家を建てるための工法やそのメリットデメリットを知っておきましょう。
そして、この先何十年と安心して暮らせる家づくりに役立ててくださいね。

地震から家を守るための3つの工法

建物の地震対策には、「免震」「制震」「耐震」の3つの工法があります。それぞれの特徴を見てみましょう。

耐震工法

「揺れに耐える」ように工夫された工法。
建物の壁に筋交い(すじかい)を入れたり金具で補強したりして、建物全体をがっちりと固定します。

建築基準法にも記載されている工法で、最も一般的な地震対策
住宅だけでなく、自治体の建物や学校などもこの耐震工法で建てられることが多いです。

免震工法

「揺れを伝えにくくする」工法。

建物の土台と地面の間に、「免震装置」と呼ばれる装置を設置して、地震の揺れが建物に直接伝わらないようにします。
地面と建物を切り離すようなイメージですね。

建物そのものだけでなく、室内の家具が倒れたり壊れたりするのも防ぐことができます。

制震工法

「揺れを吸収する」工法。

建物の内部に「制震部材」と呼ばれる装置を設置して、地震エネルギーを吸収させます。
建物の揺れを小さくして倒壊を防ぐのはもちろん、室内の家具などが倒れるのも防ぐことができます。

「耐震」「免震」「制震」選ぶならどれ?

家を建てるとき、「耐震工法」「免震工法」「制震工法」のどれを選べばよいのでしょうか。
3つの工法それぞれのメリットデメリットをふまえて考えてみましょう。

耐震工法のメリット・デメリット

メリット

3つのうち一番コストが安い。
大きな地震でも建物を倒壊から守る。
地下室を設置することができる。

デメリット

揺れを小さくする効果はなく、とくに2階など上部ほど揺れる。
室内の家具は倒れたり壊れたりする危険性が高い。
地震が何度も繰り返すと、家屋倒壊の危険性が高まる。
メンテナンス費用が高い。

現在の建築基準法では、最低でも耐震等級1の耐震性能を有していることが義務づけられているので、追加費用をかけることなく耐震工法の家を建てることができます。

免震工法のメリット・デメリット

メリット
建物の揺れを7〜8割カットできる。
建物の倒壊だけでなく、室内の損傷を防ぐことができる。
家具の転倒でケガをするなどの二次災害を防ぐことができる。

デメリット
3つのうち、施工もメンテナンスも一番コストが高い。
定期的なメンテナンスが必要。
建物の周りに、住宅なら50cm、ビルなら1m程度のスペースが必要。
工法の歴史が浅いため、実際の耐用年数は明確ではない。
建物と地盤を切り離す工法なので、台風や津波などの災害には強くない。
地下室を作ることはできない。

建物内部の揺れも抑えることができるので、大切な家財道具を守ることができます。
また、家具の転倒によるケガも防ぐことができます。

ただし、免震装置の一つである「アイソレータ」は耐用年数が40年と言われていますが、開発されてから歴史が浅いため実証はできていません

制震工法のメリット・デメリット

メリット
建物の倒壊を高いレベルで防げる。
建物内部の損傷を小さくできる。
免震工法と比べると、コストが安く工期が短い。
繰り返しの揺れにも強い。
台風や強風による揺れにも強い。
地震後のメンテナンスが不要。

デメリット
耐震工法と比較するとコストが高い。
建物内部のダメージは少ないものの、免震と比べると揺れるため、家具の地震対策は必要。

安全性やコストなどをトータルで考えると、耐震工法と免震工法の中間に位置するのが制震工法。
免震工法のように基礎に大がかりな工事をしなくても良いので、住宅を建てた後のリフォームやリノベーションでも追加で施工することができます

耐震工法はマスト!

耐震工法は、建築基準法で適用が定められています。
つまり、最低でもこれだけはやっておかなければいけない、という必須の工法

地盤や土地の形状に左右されることなく、どこにでも導入できる最も一般的な工法と言えるでしょう。
まずは耐震工法を念頭に、プラスアルファの安心として、免震工法や制震工法を組み合わせることをおすすめします。

耐震工法のレベル「耐震等級」は1〜3段階

耐震工法には、1〜3の等級があります。

これは、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で定められた、耐震性の判断基準となるもの。
等級によって、どの程度の地震に耐えられるかが異なります。

耐震等級1

建築基準法で定められた最低限の耐震性能で、これ以下は危険、というギリギリのレベル
震度5強程度では、大きな修復工事が必要になるほどの損傷は受けない、とされています。
しかし、震度6〜7程度の大きな地震では「倒壊・崩壊しない」と表現されています。

逆に考えると、人命を守ることはできるものの建物自体はある程度の損傷を受けるリスクがあるということ。
ちなみに、2016年の熊本地震では強い地震が立て続けに2回起こっていますが、1回目の地震で損傷したまま、2回目の大きな地震が起きたため、多くの建物が倒壊したとされています。

耐震等級2

耐震等級1の1.25倍の地震に耐えることができます。
さまざまな税金の優遇措置を受けられる「長期優良住宅」に認定されるには、最低でも耐震等級2以上が必要です。

耐震等級3

耐震等級1の1.5倍の地震に耐えることができます。
これは、住宅の性能を評価する「住宅性能表示制度」で定められた耐震性の中でもっとも高いレベル
大地震が発生してもダメージが少なく、安全です。

災害後も大掛かりな修復工事をすることなく、住み続けることができるでしょう。

ただ補強するだけではダメ

当然ながら、耐震等級が高いほどコストがかかりますが、安全性も高まります。

ここで言う耐震性の高さとは、「壁の強さ」に比例します。
筋交いや耐震部材を使って壁を補強するのですが、やみくもに部材を入れれば良いというわけではありません。

十分な効果を発揮するには、構造計算を行い、必要な場所に必要な耐震要素を加えることがとても重要
プランニングをしてもらったら、住宅会社からしっかり説明を受けることをおすすめします。

耐震性が高くなると地震保険の割引率も高くなる

地震保険は火災保険とは異なり、加入が必須ではありません
ですが、万が一地震でダメージを受ける非常に高額な補修費用や建て替え費用が必要になります。
ぜひ、加入して万が一に備えましょう。

耐震工事を行うと、地震保険料の割引制度が適用されます。
耐震等級1で10%耐震等級2で30%耐震等級3で50%と、耐震等級が高くなるほど割引率も高くなります。

地震保険は火災保険にセットで加入する保険です。
契約期間が長く耐火性能も高いほうが保険料は安くなることも覚えておきましょう。

地震リスクに応じた安心の家づくりを

地震発生時に家族の命を守ることはもちろんですが、地震後の生活まで考えると、耐震等級1では少し心もとないもの。
来たる大地震に備えるには、耐震等級2、3の家づくりが安心でしょう。

ただ、地域や地盤によって地震のリスクは異なります

J-SHIS(地震ハザードステーション)では、地図上でエリアごとの活断層の位置地震のリスク揺れやすさなどを知ることができます。
住みたい土地のエリアではどのレベルの地震対策が必要かを考え、安心の家づくりを行いましょう。

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