住宅ローン借入れには年齢制限がある?年齢別の注意点も!
家づくりとお金2021.12.21
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年齢を重ねるごとに自分の住まいがほしいという願望が強くなる方もいるでしょう。
しかし、住宅ローンに対する十分な知識を身に付けている方は少ないのではないでしょうか。
特に、高齢の方は住宅ローンを組めるかどうかという点に不安を感じている人もいるようです。
そこで、今回は住宅ローンの種類や基礎知識、年齢制限などの資格要件、年代別の注意点についてわかりやすく解説します。
そもそも住宅ローンとは?
住宅ローンとは、自分が居住するための住宅を建てたり購入したり、または改築したりするために、金融機関等で利用できるローンです。
最近では自分以外の家族が住むためのセカンドハウスや別荘の購入時に利用できる住宅ローンも登場しています。
ただし、人に貸すためのアパートやマンションなどの収益物件の購入には利用できません。
金融機関などで取り扱う住宅ローンは、物件の種類や年齢、制限事項などの借入れ要件が各社で異なります。
そのため、借入れ予定の金融機関が取り扱う住宅ローンについて、公式サイトやパンフレットで確認するか担当者に質問して、疑問点を解消しておくとよいでしょう。
住宅ローンは融資金額が高額になり返済期間も長いため、基本的には安定した収入があり、長期的に継続して確実に返済できる見込みのある人のみが利用できます。
収入が公的年金のみの方や専業主婦の申し込みは受け付けていません。
この他にも、利用申し込みの審査基準として本人の健康状態や完済予定時の年齢などが重要視されます。
住宅ローンは銀行や信用金庫、住宅融資専門の会社などで借りられ、それぞれに特徴のある商品が多数あります。
また、会社員対象の財形住宅融資や、都道府県や市町村などが行う自治体融資なども利用可能です。
特色のある返済方法や融資条件などがあり選択肢は豊富ですが、メリットやデメリットを踏まえたうえで、自分のライフステージに合わせた商品を選ぶことが大切です。
2.住宅ローンの種類
住宅ローンは、かつては政府所管の旧住宅金融公庫の融資によるものが一般的でしたが、「官から民へ」の行政改革により2007年に住宅金融支援機構が引き継ぐことになりました。
民間の金融機関でも金利タイプを自由に選べる特色のある住宅ローンが多数登場しています。
そこで、ここでは公的ローンと民間ローンの種類の概要や特徴について説明します。
2-1.公的ローン
公的機関による公的ローンの種類は、大きく分けると「財形住宅融資」と「自治体融資」があります。
「財形住宅融資」は、財形貯蓄を行う勤労者に向けた住宅資金の融資制度です。
財形貯蓄の残高に応じて住宅の新築や購入、リフォームなどにかかる資金を融資してもらえます。
ただし、利用には一定の基準を満たしていることが必要とされます。
まずは、所属する会社や団体の財形貯蓄制度を1年以上続けていること、さらに残高が50万円以上あることが条件です。
また、申込時の年齢が70歳未満であること、融資対象の住宅に申込者本人が居住すること、などの資格要件をすべて満たした場合に限り利用可能です。
融資の限度額は、財形貯蓄残高の10倍額、最高4000万円を上限として、あるいは土地を含めた住宅の新築や購入に必要とする金額・リフォームのために必要な金額の90%までのいずれか低いほうの金額までと定められています。
金利は、返済開始から終了まで5年ごとに金利を見直して適用される5年固定型です。
財形貯蓄制度は福利厚生の一環として採用されるものであり、毎月の給与から天引きされ自動的に確実に毎月貯蓄できる勤労者にとっておすすめの制度です。
財形住宅融資制度も、低金利で有利に借入れできるため、条件に当てはまる方は検討してみるとよいでしょう。
もう1つは「自治体の融資制度」です。
都道府県、特別区、市町村などの地方公共団体の中には、独自に住民サービスの一環として、住宅取得やリフォームなどを対象とした支援制度を設けている自治体があります。
たとえば、自治体が民間の金融機関と提携して低金利の融資を行ったり、住宅ローンの支払利息の一部を補助したり、無担保で貸付を行ったりなど、さまざまな形で支援しています。
全国すべての自治体が漏れなく提供しているわけではありません。
利用には収入や居住期間などの各自治体で定めた条件を満たす必要があります。
事前に自治体の公式サイトなどで資格要件や貸付限度額、返済期間や金利などを確認してみましょう。
また、保証人が必要な場合、同じ自治体内に居住していること、などの条件が加わる場合もあります。
自治体内に保証人がいない場合に、金融機関の保証人代行が可能かなども確かめておくことをおすすめします。
2-2.民間ローン
民間ローンとは、都市銀行や地方銀行、信用金庫やJAなどの金融機関の他に、生命保険会社や住宅ローン専門会社などの民間の機関が提供しているローンを指します。
民間ローンは大別すると、不動産会社やハウスメーカーと金融機関、あるいは勤務先と金融機関とが提携している「提携ローン」と、それ以外の「非提携ローン」とに分かれます。
提携ローンは、金融機関独自の商品とは別立ての低金利が適用されるなどの優遇措置がある点がメリットです。
しかし、不動産会社や工務店などの選択肢が限定されるほか、提携している金融機関も限られているため、あらかじめ確認しておくと安心です。
「フラット35」を聞いたことがある方も多いでしょう。
フラット35とは、独立行政法人の住宅金融支援機構と全国の金融機関との提携ローンで、全期間固定金利型の住宅ローンのことです。
金利が全期間を通して一定のため、中期的な返済プランが立てやすいことがメリットです。
一般的な住宅ローンと比較して、フラット35は年収の多寡や勤続年数の長短にかかわらず審査に通りやすい点が魅力です。
しかしその分、建物の審査基準は一般的な住宅ローンよりも厳しめになっています。
たとえば、基礎構造の安全性や、建材の耐久性などの住宅性能において、住宅金融支援機構が定めている技術基準に見合ったものでなければなりません。
フラット35の申し込みには、チェック項目がすべて条件を満たしているかの根拠となる適合証明書を、検査機関や適合証明技術者に発行してもらう必要があります。
3.住宅ローン借入の年齢制限について
住宅ローンの利用には申込審査が不可欠で、多岐にわたる要件のチェックが行われます。
中でも、客観的に判断しやすいのが年齢です。
申込者本人の現在の年齢だけでなく、ローン完済時の年齢も見なければなりません。
申込時の年齢の制限は各金融機関によっても異なりますが、概ね下限を20歳としており、上限は70歳前後としているところが多く見られます。
また、完済時の年齢は80歳未満とかなり高齢の設定になっているところもありますが、例えば50歳で住宅ローンを借りると最長で29年しか借りられないなど、借入時の年齢によっては、借入期間の調整が必要になるため注意が必要です。
実際には、年齢だけでなく、職業や勤続年数、総資産など総合的な観点で審査が行われます。
まずは、仮審査を申し込んでみて、希望どおりの金額が借りられるか確認してみるとよいでしょう。
一般的には、初回の借入れも、途中からの借り替えにしても、高齢になればなるほど完済時の年齢制限に引っかからないよう、返済期間を短く設定しなければなりません。
そのため、月々の返済額が多くなれば家計にも影響があり、審査の目も厳しくなるでしょう。
また住宅ローンの契約時に、任意加入ではありますが団信と呼ばれる団体信用生命保険の加入をすすめられます。
金融機関によっては必須条件とするところもあるでしょう。
団体信用生命保険とは、ローンの申込者本人に万一のことがあれば、返済中のローン残高がゼロになり、残された家族はそのまま持ち家に住み続けられるという内容の生命保険です。
しかし、この団信も加入時には審査があり、申込時の健康状態によっては契約ができない可能性があります。
高齢であればなおさらリスクは高くなるため、審査に通らないケースも見られます。
その結果、住宅ローンを組むことができないこともあり、高齢になってから住宅ローンを申し込むことはかなり難易度が高いと言わざるを得ません。
4.【年齢別】住宅ローン借入れの注意点
先述しましたが、住宅ローンは借入時の年齢によって申し込みの難易度が異なります。
年齢により、返済期間にも影響するため、長期的なライフプランに応じた無理のない範囲での返済計画が重要です。
では、具体的にはそれぞれの年代において、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
ここでは、それぞれの年齢別に、住宅ローン借入時の注意点について紹介します。
4-1.30代
30代の早いうちに借入れれば返済期間を長く設定することが可能で、最長では50年の設定が可能なローンもあります。
ただしその分、支払利息が増えますので、余裕のあるときに繰り上げ返済を利用するなど、その都度家計の状況に応じた柔軟な返済計画を立てることが重要です。
子どもがいれば教育費の負担が大きくなる世代でもあるため、教育資金を貯めつつ、住宅ローンの返済を両立させる必要があるでしょう。
余裕のある資金運用を目指せるのも若い30代ならではです。
4-2.40~50代
40代前半と50代後半とでは社会的立場も家族状況も異なるでしょう。
しかし、いずれも住宅ローンの返済期間が定年後にまで延びる可能性は高いといえます。
その後は、年金や預貯金を切り崩して返済に充てなければならない状況にもなるかもしれません。
その期間の返済をどう計画すべきかを事前に考えておく必要があります。
40代なら、返済期間も長く設定できるため、月々の返済額を少額に抑えることにより、教育資金を考慮しながら老後の準備もできるように計画を立てることが重要です。
50代ともなれば、さらに返済期間が短くなってしまうため、綿密な返済計画を練る必要があります。
健康状態により審査に影響を与える可能性もあるでしょう。
退職金を返済に充てるつもりなら、老後資金が不足して後々困ることがないように計画しなければなりません。
4-3.60代
60代から住宅ローンを組むのはなかなか難しいと思われるかもしれませんが、子どもが成人済みや、教育費の支払いもあらかた目処がついているケースが多いものです。
早いうちに退職金を手にすることもできるでしょう。
ただし、定年後も長く返済が続くようなら生活費の不足には十分な注意が必要です。
これまでの自己資金や年金収入などを考慮した上で、住宅ローンの利用を慎重に検討しなければなりません。
どうしても持ち家がほしいなら、子どもにローンを引き継ぐ親子リレーローンや、負担の少ないリバースモーゲージ型住宅ローンなども検討材料に加えるとよいでしょう。
シニアに向けたリバースモーゲージ型の住宅ローンなら、毎月の支払いは利息のみ、自宅の土地と建物を担保にするため、申込者に万が一のことがあれば、担保物件を売却するか相続人が一括して支払うかを選べます。
この方法は、老後資金を残しながら、新たに住宅を取得したい60代に需要があります。
さまざまな選択肢の中から、自分たち家族に適した方法を選びましょう。
5.住宅ローンを組む際の注意点
住宅資金に加え、老後資金と教育資金を含めた3大資金を考慮して計画を立てることが大切です。
教育費は最低でも約1000万円、老後資金に関しては1300万~2000万円かかると言われています。
これらの資金を含めた返済計画を立ててバランスよく準備できる心積もりをしておくことが大切です。
また、家計を圧迫しない借入金額に抑えることも重要といえます。
若い方は長期多額のローンを組む傾向がありますが、社会情勢によってはこの状態がいつまで続くかは不透明です。
継続して安定した返済ができるよう、無理のない範囲で返済計画を立てることをおすすめします。
住宅ローンは借入金額が高額になるため、金利のわずかな違いで大きな差が生じることにもなるものです。
少しでも返済が有利になるように、さまざまな金融商品を比較して検討するとよいでしょう。
住宅ローンを理解して理想の住まいづくりを!
住宅ローンの種類や年齢制限などについて、理解を深められたでしょうか。
理想のマイホームを取得するには、住宅ローンなどを含めて綿密な計画を立てることが大切です。
家族のライフイベントに合わせた資金計画と老後の準備をしつつ、借入金額がどの程度なら無理のない範囲で住宅ローンが利用できるのか、多彩な商品を比較してシミュレーションしてみましょう。
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